チャールズ・H・クーリーにおけるコミュニケイションの機能と第一次集団

島根大学論集. 教育科学 Volume 12 Page 24-32 published_at 1962-12-20
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File
b0110012k003.pdf 1.28 MB エンバーゴ : 2001-10-07
Title
チャールズ・H・クーリーにおけるコミュニケイションの機能と第一次集団
Title
Charles.H.Cooley's Communication Functions and the Primary Groups
Title Transcription
チャールズ・H・クーリー ニオケル コミニュケイション ノ キノウ ト ダイイチジ シュウダン
Creator
Nozu Yoshio
Source Title
島根大学論集. 教育科学
Volume 12
Start Page 24
End Page 32
Descriptions
チャールズ・H・クーリー(1864~1926)の経歴をみると,彼自身コミュニケイションについて.若いときから深い関心をもっていたことがわかる。彼は大学の修士課程を終わってから,鉄道事故防止の研究をしているし,ミシガン大学で経済学の博士論文を呈出したときも,その題目は「トランスポーテーションの理論」だった。彼のコミュニケイション理論が主として展開されているのは,1909年の「社会体制」Social Organizationである。歴史年表をみると,アメリカでラジオの定時放送がはじまったのば1906年であるが,この本にはまだラジオはとりあげていない。今から約50年余前で,すでに電信(1833年)電話(1875年)は実用化されていた時代であるが,いわゆる当時のマスメデヤのチャンピオンとして登場しているのは新聞である。ラジオ,テレビによる現代の文化のいわゆるマスコミ文化としての特色は,すでにクーリーによって基本的な形でとらえられている。彼の思想の現代的意義は,コミュニケイションの理論を,こういう早い時期に,きわめて包括的に広い立場から展開していること,および,マスコミュニケイションに関して必ず問題となる準拠集団Reference groupの考えが,(彼はそういう用語を使っていないにカ)かわらず)萌芽的に見られるということであろう。本稿では,コミュニケイションを正面から問題にしている「社会体制」の方を中心にとりあげたいのであるが,この本より7年前に書かれた「人間性と杜会秩序」Human Nature and the Social Order,1902の中に,やはりコミュニケイションは大きな位置をしめているし,そこで問題になっている人間の「教えうる性質」Teachabilityという概念,ならびに「人格的観念」Personal ideasについても略説しておく必要があるであろう。
Language
jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publisher
島根大学
Shimane University
Date of Issued 1962-12-20
Publish Type Version of Record
Access Rights open access
Relation
[NCID] AN00108117