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島大言語文化 : 島根大学法文学部紀要. 言語文化学科編 2 巻
1996-12-25 発行
品詞分類の基準について(上) : その五つの類型
Criterion in Classification of Parts-of-speech : Five types
安本 武正
本文ファイル
a007002h005.pdf
( 1.64 MB )
内容記述
中国語の品詞分類の基準については語義、文法機能、形態、語彙・文法範疇、文法的意味と文法的形式の特徴の結合という五つの基準を取り上げて分析してみる。
朱星『漢語語法学的若干問題』は1950年代の「品詞論争」の結果を三つの基準、つまり語義・文法機能・形態という三つ基準が得られたと結論を下し、しかもこの三つの基準は殆どみなが一致しているものであると付け加えている。張静『漢語語法問題』はこの三つの基準説にソ連の言語学者が提唱し、『暫擬漢語教学語法系統簡述』が取り入れた語彙・文法範疇という基準を加え、この四つの基準を分析し、独自の文法的意味と文法的形式の特徴の結合という基準を打ち出している。これらの基準はすべて品詞論争後にあらわれた基準であるといえよう。
小文では上に述べた五つの基準を『漢語語法問題』の分析を踏えて考えてみることにする。ただ文法機能説を考える場合には、『漢語語法問題』が言及していない朱徳煕『語法講義』と呂叔湘『漢語語法分析問題』のその説も合わせて考えてみることにする。これらのことを通じてそれぞれの説の根拠及びその問題点を探り、中国語の品詞分類の基準についての一つの考え方を試みてみる。
朱星『漢語語法学的若干問題』は1950年代の「品詞論争」の結果を三つの基準、つまり語義・文法機能・形態という三つ基準が得られたと結論を下し、しかもこの三つの基準は殆どみなが一致しているものであると付け加えている。張静『漢語語法問題』はこの三つの基準説にソ連の言語学者が提唱し、『暫擬漢語教学語法系統簡述』が取り入れた語彙・文法範疇という基準を加え、この四つの基準を分析し、独自の文法的意味と文法的形式の特徴の結合という基準を打ち出している。これらの基準はすべて品詞論争後にあらわれた基準であるといえよう。
小文では上に述べた五つの基準を『漢語語法問題』の分析を踏えて考えてみることにする。ただ文法機能説を考える場合には、『漢語語法問題』が言及していない朱徳煕『語法講義』と呂叔湘『漢語語法分析問題』のその説も合わせて考えてみることにする。これらのことを通じてそれぞれの説の根拠及びその問題点を探り、中国語の品詞分類の基準についての一つの考え方を試みてみる。
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