19世紀末葉から分子構造及び電氣材料の研究を対象として物質のε及びtanδを測定すること所謂誘電測定が盛に行われて來た。
電波の波長が短くなりマイクロ波領域になると輻射による損失が大きくなる爲に,從來の方法で誘電測定を行うことが不可能になる。この様な場合には光学的方法(optical method)を用いるか,或は導波管法(hollow pipe method,導波管、室洞共振器等を用いる方法)に依らなければならない。導波管の一端を反射板で閉し,この部に誘電体を詰めた場合の理論の一般解は1946年Roberts-Hippelに依て輿えられた。翌1947年 Dakin-Works が損失の少い誘電体について上の理論に補正を加えている。更に1948年Surber-Crouch が Robert-Hippelの理論を発展,簡易化することに成功した。筆者等は此等の理論に二三の考察を加え紹介をなし,且つ特別の場合に就いての測定理論を導入した。此の理論の妥当性について現在実験中である。