島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 48別冊
2015-02-27 発行

古典文学教材としての『竹取物語』 : 教科内容学からの授業デザイン

“Taketori-Monogatari”as classical literary texts:a view from the study on teaching contents
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内容記述(抄録等)
中学1年用の古典文学教材『竹取物語』の本文には, 初期の物語文学の性質として, 不完全, 説明不足, 不整合などの瑕疵が認められる。これをかぐや姫出現場面, 富士語源譚, 石作の皇子の造型に照らして検証すると, 単純な齟齬を端緒に古典文学の深奥に触れられる例, 複数の行間読みが成立する例, 矛盾解消の方向性が一様ではない例が指摘できる。これらに教育実践の場で担当教師が対処する余裕はないので, 教科内容学の立場から対処できる資料を提供する必要がある。その過程の中で, 不完全, 説明不足, 不整合は実は作品世界を豊かにする契機であることが明らかになる。さらに, 新しい学術的成果を活用して「古典に親しむ」方向, 文学として鑑賞できる方向に授業をデザインすることにも繋がると思われる。
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