本研究では,電流,電圧に加え電気抵抗をも視覚的に捉えることができるような「水流モデル」の自作教材を開発することを第一の目的とした。そして,自作した「水流モデル」を用いて,学習者が電気のイメージを水の流れのように捉えながら学習を進めることができる理科授業の工夫を行い,授業を実践した上でその妥当性に検討を加えることを第二の目的とした。
教材開発に取り組んだ結果,電気を水の流れのように捉えながらイメージすることができる自作した「水流モデル」を開発することができた。そして,授業実践の結果に検討を加えることにより,自作した「水流モデル」を用いた授業によって,学習者が自身の内面に電気回路の物理量を「水流モデル」の物理量に置き換えてメンタルモデルを構成し,且つそれを外化できれば電流や電圧への理解を促すことが分かった。しかし,電気抵抗については,今後検討の余地があるという点が明らかとなった。