ダウン症児者は先行研究において文字の読み書き能力の獲得可能性が示唆されているが,他の障害種に比べ,読み書き指導の先行研究が少ないことが報告されている。そこで,特別支援学校に通う小学3年生のダウン症女児1名を対象に介入研究を行い,応用行動分析学の行動随伴性の観点からひらがなの読みの指導法の検討を行った。その結果,対象児のひらがなの読みの学習行動が生起,強化,維持したことが認められ,学習に対する意欲の変化も見られた。そのことから,ダウン症児のひらがな読み学習に行動随伴性の正の強化の原理を用いることの有効性が示唆された。