島根農科大学研究報告

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島根農科大学研究報告 8
1960-03-31 発行

肥料条件を異にした水稲の塩水被害

Saline Injury on Rice Plant grown under the Nutrient Deficiencies
小合 龍夫
西川 省造
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内容記述(抄録等)
作物の塩水被害も他の障害と同様,その特殊性をもたなければならない。即ち作物体の反応は塩水被害としての特殊過程を経なければならない。筆者らはかかる観点において塩水被害の様相につぎ既に多くを報告し,又最近他の多くの研究者の報告においても,現実の塩水被害は,水分代謝の異常に由来することが極めて有意にして明らかなことであると結論し得るが,常には塩水被害のすべてを充分に解析することは困難であった。前報において被害葉の葉身水分含量は被害部位の占める割合とほ
ぼ比例し,外観健全部位の水分平衛は著しくは乱されないこと,又Na及びClの集積が害徴に先行していることを報告し,これ等の大綱を知るに充分であったが,更に異なる肥料条件下に生育せしめて,生理,生態的に極めて大きな変異を与えた場合の水稲体の反応につき考察を試み,前報をも補うものとする。
 実験に際しては高野圭三教授より種々御教示を得,又実施に当っては野津幹雄氏を煩わした。記して謝意を表する。