(目的) 子どもの問題行動が「愛着の問題によるものか?発達障がいによるものか?」の鑑別に困ることがある。支援者が見極めて適切な言葉かけや関わりをすることが重要である。本研究は、鑑別点を明らかにして子育てや支援に役立つように現状を検討することである。(方法) 児童養護施設のスタッフ6名に半構造化面接をおこない質的研究をおこない、カテゴリー、サブカテゴリ―化をした。(結果) 陳述記録は280あり、上位のカテゴリーとしては『愛着の問題による言動と発達障がいによる言動の特徴』、『両者の鑑別点』、『実際の対応』『スタッフの想い』の4つが抽出された。(考察) 言動の鑑別に役立つものとしては、愛着では「愛情欲求」、「アピール行動」、「試し行動」、「意図的な言動」、「成育歴」などが、発達障がいでは「独特な対人関係」、「見通しが持てない」、「勉強が難しい」、「感覚過敏」、「パニックの状況」などが鑑別に有用の可能性が示唆された。「衝動コントロール」、「ルールが守れない」は両者に認められ鑑別が難しいと思われた。これらの子どもたちを支援するために、特性をよく知って関わる必要がある。