Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science 6
1972-12-20 発行

学校舞踊の創作に関する諸問題(III)

Problems in the Creation of the School Dance
Usui, Ei
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 学校における創作舞踊方法論については,最近になって特に適切な問題解明に接近する方向をみせている。その一例をあげてみると,小学校低学年・中学年より「表現・創作作品の早つくり」が提唱されて,グループ学習活動の発達に則した段階的あり方や主体的練習法,または表現題材に適した内容の表わし方などの学習指導の技術が早急に求められようとしている。さらに小学校高学年においては子供たちの基礎技能を高めるねらいから,Phrase を中心にした技能の獲得を期待して,これによって児童・生徒たちの表現・創作活動を容易にそして潤沢に伸展させようとする試みがみられている。今回はこの Phrase を中心にした創作方法上の問題点について考察を加える。また既報「学校舞踊の創作に関する諸問題〔1〕で今後の課題のひとつとして述べた「表現内容のとらえ方」について幾つかの事例をあげて考察する。
 最近は島根県内は勿論のこと全国的に各界の創作舞踊発表会が開催されて,鑑賞を契機とする創作法の理論的究明がいよいよ熱意を帯ぴてきている。そして本年度末には教育系国立大学二十二校による全国的創作舞踊発表研究会が新しい方策で試みられようとしているので,島大創作舞踊研究班も参加を企画している。過去には昭和44年女子体育連盟主催第一回日本体育実技研究発表会に出演し,本年二月には長崎県立女子短期大学との研究父流を実施したり,去る六月には待望の第二回独立公演を島根県民会館で行なった。創作活動は言うに言われぬ程の困難を伴なうのが現実であるが,作品は一作毎に動いて楽しく観て楽しい結果を生んでいると言ってよかろう。この鑑賞を意図して練りあげられた創作作品に対して技術構造要因を分析して,Phrase の構成展開に関連する問題点について考察を加えてみる。