Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science

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Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science 2
1968-12-28 発行

テスト不安の教育心理学的研究(III) : Over-achiever, Balanced-achiever, Under-achiever の比較

The Relationships of Anxiety to Various Academic Performances in School Children
Onishi, Toshie
Ueda, Junichi
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 近年,不安と知能および学力との関係についての研究が,種々の角度から進められてきている。
 本研究においては,不安が知能,学カのバランス,アンバランスによる,いわゆる Over- achiever,Balanced-achiever, Under-achiever 間では,どのように異なるものであるかをみることを目的とし,小学校5年,中学校3年330名を対象として,数学,国語の2教科について,4つの不安尺度(TAS, TASC, GASC, GAT)によって,3群の比較,検討が試みられた。なお,本研究では,結果的に,知能水準「中」のもののみを対象とすることになり,従って,一応,3群の被験者の知能は同一のものとみなされてよいだろう。 結果は,次の通りであった。
(1)TASにおいて,全体的にO−A,B−A,U−Aの順に不安得点は高くなる傾向がみられた。数学における小学校,中学校女子と国語における小学校女子に,特にその傾向は目立った。
(2)TASCにおいても,その傾向は,TASとほぼ同じで,全体的に,O−A,B−A,U−Aの順に不安得点は高くなっていた。そして,その傾向は,国語においてよりも,数学においてより明白に表われた。
(3)GASCにおいては,全体として,一貫した傾向は認められなかった。しかし,この尺度においては,男子と女子の得点差が顕著で,いずれの場合も,男子より女子が高い不安を示した。
(4)GATにおいては,GASC以上に全体的傾向はつかみにくく,3群間には,ほとんど差が見出されなかった。