本研究は,小学校と中学校のつながりを考えたネット型ゲームの教材開発を目的とする。そのために,戦術学習を取り入れたことが技能と思考・判断の相乗効果を促進し,児童生徒にどのような変容をもたらしたかを実践・検証する。単元の構想を立てるにあたり,アタックに重点をおいた指導を中心に,ネットを挟んだ攻防による学習の展開を考えた。また,各学年の発育発達段階を考慮し,必要な技能の課題や戦術課題について系統性を考えて教材を配列した。小学校5年生,中学校1年生,中学校3年生で授業を実践し,形成的授業評価,ゲームパフォーマンス評価法,ワークシートの記述の分析から児童生徒の変容を検証した。その結果,児童生徒のゲームパフォーマンスに向上が見られ,一定の成果が見られた。技術的・戦術的な系統性を考えたことで,中学校3年生までに何を,いつ,どのように指導したらよいのかについて,より具体的な提案を行うことができた。