小学校の通常の学級における教師の実践をエピソード記述として集積し,教師と子どもの間に生じ,子どもの行動変容につながる教師のかかわりとは何かについて明らかにしていくことを目的とする。そして,それぞれのエピソード記述から教師の重要なかかわり(臨床知)を明らかにし, 4つに分類・整理した。
教師のかかわりにおいて重要なことは,教師が子どもの思いや気持ち,願いに目を向け,子どもの心に寄り添い,付き合おうとすることであることが導かれた。さらには,子どもがその姿を変えていく,つまりは成長していくためには,子どもの「できないこと」を否定しないで,子どもの「あるがまま」を認める教師のまなざしにあることが再認識された。