ルソー『コルシカ憲法草案』について

島根大学文理学部紀要法学科篇 : 島大法學 19 巻 67-90 頁 1973-03-31 発行
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ファイル情報(添付)
a009019h003.pdf 2.23 MB エンバーゴ : 2004-03-05
タイトル
ルソー『コルシカ憲法草案』について
タイトル
J.-J.Rousseau,"Projet de constitution pour la Corse"
タイトル 読み
ルソー コルシカ ケンポウ ソウアン ニ ツイテ
著者
佐々木 允臣
収録物名
島根大学文理学部紀要法学科篇 : 島大法學
19
開始ページ 67
終了ページ 90
収録物識別子
ISSN 05830362
内容記述
その他
周知のようにルソーの『社会契約論』(一七六二年)は、彼の政治思想の理論的到達点と見られる。これに対して、『コルシカ憲法草案』(一七六五年―以下『草案』と略称)は『ポーランド統治論』とともに、その基本理論を一つの現実の国家に応用しようとした試みにほかならない。この『草案』は、『エミール』(一七六一年)出版のあと、その宗教観のため迫害を受けて放浪中に執筆されたものであり、そのために、体系的に完成されたものではなく断片的資料のままで残されたものである。しかし、『草案』は現実に存在する国家を対象にして扱っているので、その叙述は具体的かつ実践的であり、『社会契約論』をふまえてルソーの思想を理解するうえでかなり参考になる文献と思われる。本稿では、『草案』に盛られたルソーの見解を、経済制度・政治制度・道徳の三つの分野にわけてそれぞれの特徴点を中心にして紹介していきたい。なお、このように分けたのはあくまで便宜上のことで、厳密にいえば正しい方法ではない。なぜなら、ルソーの場合、経済制度に独自の法則が承認されそれ自体が別個の社会現象として扱われるようなことはなく、むしろ経済は政治に吸収されたかたちであり、極言すれば政治制度の一環として経済のあり方が定められているともいえるからである。また、たとえば、道徳についていえば、ルソーが最も重要な道徳の一つとして強調している祖国愛は、それ自体として単に説教的に説かれるのではなく、国の経済制度・政治制度の仕組みと密接に関連させながらその形成の地盤・その重要性が明らかにされているのである。したがって、本稿でもできるかぎり経済・政治・遣徳の問題を相互に関連させつつ述べていきたい。
言語
日本語
資源タイプ 紀要論文
出版者
島根大学文理学部
The Faculty of Literature and Science, Shimane University
発行日 1973-03-31
アクセス権 アクセス制限あり
関連情報
[NCID] AN00107522