全反射を利用したX線エネルギーフィルターの開発

金沢大学つるま保健学会誌 Volume 39 Issue 1 Page 59-64 published_at 2015-07-28
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Title
全反射を利用したX線エネルギーフィルターの開発
Title Transcription
ゼン ハンシャ ヲ リヨウ シタ X セン エネルギー フィルター ノ カイハツ
Creator
岡本 博之
濱 靖彦
国岡 由紀
森川 公彦
Source Title
金沢大学つるま保健学会誌
Journal of the Tsuruma Health Science Society, Kanazawa University
Volume 39
Issue 1
Start Page 59
End Page 64
Journal Identifire
ISSN 1346-8502
Descriptions
CT スキャンにおいて、最も一般的なアーティファクトとしてbeam hardening があげら れる。これは、観察した物体の中央に比べ、周辺部が明るく表示される現象である。低エネ ルギーのX 線は高エネルギーのX 線に比べると、試料中でより減弱が起こるため、平均の X 線エネルギーは増加する。この様な理由によって、白色X 線を用いたCT は定量性が低い といわれている。この現象は、単色X 線を使用することで解決できる。そこでこの問題を解 決するため、全反射現象を利用して、X 線のエネルギー値を任意に設定できるフィルターを 開発した。  実験は高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所(KEK-PF)BL-14B と20B で行っ た。X 線のエネルギーはビームラインに設置されたダブルクリスタルモノクロメータにより、 10 ~ 24[keV] に調整した。ハイパスフィルターとしてポリプロピレン板を、ローパスフィル ターとしてガラス板を、それぞれ使用した。フィルター板の設定角度を変えることで、反射 率は変化した。フィルターからのX 線の強度分布は、X 線エネルギーとフィルター板の角度 を調整することにより、変化した。  結果を説明するため、板の表面が完全な平面であると仮定しシミュレーションを行ったと ころ、実験結果と一致しなかった。そこで板表面の粗さを考慮して再度シミュレーションを 行ったところ、実験結果とよく一致した。このことから、今回開発したフィルターにおいては、 板の粗さが強度分布を決める重要な因子であることが分かった。
Subjects
X線 ( Other)
エネルギーフィルター ( Other)
全反射 ( Other)
X-ray filter ( Other)
reflectivity ( Other)
total reflection ( Other)
synchrotron radiation ( Other)
Language
jpn
Resource Type journal article
Publisher
金沢大学つるま保健学会
Tsuruma Health Science Society, Kanazawa University
Date of Issued 2015-07-28
Publish Type Version of Record
Access Rights metadata only access
Relation
[URI] http://hdl.handle.net/2297/43086
カナザワ ダイガク ツルマ ホケン ガッカイ