ファイル情報(添付) | |
タイトル |
競争事態の個人のPaceに及ぼす影響
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タイトル |
On some Factors Affecting of an Individual's Running-Pace in a Competitive Situation
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タイトル 読み |
キョウソウ ジタイ ノ コジン ノ PACE ニ オヨボス エイキョウ
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著者 |
林 生子
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収録物名 |
島根大学論集. 教育科学
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巻 | 10 |
開始ページ | 93 |
終了ページ | 114 |
内容記述 |
その他
運動の場,競技の場は空虚な空間ではなく一種の力の場をなくしていると考えられる。この力の場は,地理学的場と異つて固定的不変的なものではなく,力動的であり,全体依存的であつて,その場の一部に変化が生ずると場のもつ全体の意味が変化すると考えられる。
主体がある場におかれた時,そこはその場のもつ外的な力と主体がその場を支配する力とが相互に働き合う。場の力に支配され圧追されて主体の体制がくずされ,精神構造が等質化される場合もある。この場合には,主体が相手の場に入り相手の場のもつ力に支配され,今までもつていた自我体制の統一を失い行動に変容をきたすからである。運動の場においては,競争相手の存在が,主体に対して大きな外的な場の力となつて働きかけ,主体の行動に影響を及ぼすと考えられる。即ち,運動における競争の場では必す相手が存在する。この場合の相手は,器具や道具と違いたえす変化し続けるものである。器具や道具に1対しては主体の道具支配力が統整されるだげでよい。しかし,相手と対応する時は,相手との関係において自己の統制がおこなわれなければならない。特に短距離走においては,相手の動きは直接的意味をもつと同時に,相手の過去の記録や現在の技術および相手のもつぺ一スは,自己の行動を規定する大きな条件となる。換言すれば,これら競争相手の存在全体は,主体にとつては競争事態の場のもつ力としての意味をもつてくる。したがつて,競争事態の場のもつ力の変化,即ち,競争相手が変化することによつて主体の行動は変容されうると思う。とするならば,ここにおいて陸上競技の短距離走をとりあげ,競争事態の変化にもとすく行動の変化を,個人の疾走タイムおよび疾走状態の変化1またそれに伴う心理的体制の変化から追求するならば,競争事態の場のもつ力が個人のぺ一スに及ぼす影響をある程度は究明されるのではないだろうか。 以上のごとき前提のもとに競争事態の個人に及ぼす影響,即ち,競争の場の力によつて個人のうける行動の変容を, 1、競争条件の変化に伴つて,個人の疾走タイムはどのように影響されるか。 2、競争条件の変化に伴つて、個人の疾走の型はどのように影響されるか。 3、競争条件の変化に対して,心的体制はどのように変化するか。 の3点を考察点として,競争め場に関しての一考察をしてみる。 |
言語 |
日本語
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資源タイプ | 紀要論文 |
出版者 |
島根大学
Shimane University
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発行日 | 1961-03-20 |
出版タイプ | Version of Record(出版社版。早期公開を含む) |
アクセス権 | オープンアクセス |
関連情報 |
[NCID] AN00108117
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