ファイル情報(添付) | |
タイトル |
『アンリ・ブリュラールの生涯』最終章の生成過程について
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タイトル |
La genese du dernier chapitre de la Vie de Hery Brulard
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タイトル 読み |
アンリ ブリュラール ノ ショウガイ サイシュウショウ ノ セイセイ カテイ ニツイテ
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著者 | |
収録物名 |
島根大学法文学部紀要文学科編
Memoirs of the Faculty of Law and Literature
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巻 | 21 |
開始ページ | 69 |
終了ページ | 83 |
収録物識別子 |
ISSN 03886859
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内容記述 |
その他
『アンリ・ブリュラールの生涯』の最終章は,デル・リットーもいうように,最も興奮に満ち,また,読む者を感動させる章である。サン=ベルナール峠を越え,いよいよミラノに入城する。のちに自らを「ミラノ人」と称するようになるスタンダールは,では,ミラノでのどのような体験をわれわれに語ってくれるのだろうか。
読者の期待は,しかし,完全に裏切られる。 到着の時点でのマルシアル・ダリュとの出会いの場面が僅かに語られただけで,物語の糸は途切れる。 溢れ出る思い出。その幸福感はとても描き出すことはできない。「題材が語る者の力を超えて」おり,語ることでこの幸福感を台無しにしたくない。 かくして,『アンリ・ブリュラールの生涯』は未完のまま放置される。 この間の推移をあらためて草稿によってたどってみると,校訂版テクストーそこに収められたヴァリアント(そこには,われわれの検討結果とは随分異なる記述も見出されるのだが)も含め−を読むだけでは伝わってこない,スタンダールの執筆への執念と,それを不可能にまでしてしまうほど脳裏に甦る幸福の思い出,それを30年以上も経っていながらも再び感動しながら「生きて」いるスタンダールの「息遣い」を感じることができる。 以下では,上記の問題点を中心に,前稿において検討した問題点を参考にしつつ,草稿をつうじて最終章の執筆過程をたどりながら,そこに見られる特徴を指摘し,スタンダールのエクリチュールの一端をさらに明らかにしてみたい。 |
言語 |
日本語
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資源タイプ | 紀要論文 |
出版者 |
島根大学法文学部
Shimane University, Faculty of Law and Literature
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発行日 | 1994-08-31 |
出版タイプ | Version of Record(出版社版。早期公開を含む) |
アクセス権 | アクセス制限あり |
関連情報 |
[NCID] AN00108081
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