R.シューマンの「詩人の恋」作品48 : 演奏法に関する研究

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ファイル情報(添付)
b002003200k005.pdf 2.31 MB エンバーゴ : 2001-10-08
タイトル
R.シューマンの「詩人の恋」作品48 : 演奏法に関する研究
タイトル
Dichterliebe by R.SCHUMANN : A Study on the Style of the Performance
タイトル 読み
R.シューマン ノ シジン ノ コイ サクヒン 48 エンソウホウ ニ カンスル ケンキュウ
著者
三原 重行
収録物名
島根大学教育学部紀要. 人文・社会科学
Memoirs of the Faculty of Education. Literature and Social science
32
開始ページ 55
終了ページ 66
収録物識別子
ISSN 02872501
内容記述
その他
 「詩人の恋」はシューマンのハイネ歌曲集の中で最も完成度の高い作品であり, 彼の“歌の年”1840年を代表する最高傑作とされる16曲の歌曲集である。
 テキストは現在「歌の本」におさめられている「抒情的間奏曲」からとられた。当時この歌曲集は20曲からなる歌曲集として出版された。1994年10月に録音されたトーマス・ハンプソン(バリトン), ヴォルフガング・サヴァリッシュ(ピアノ)EMI,TOCE-9505 のCDによれば歌の本の抒情挿曲からの20の歌(「詩人の恋」のオリジナル・バージョン)としてきくことができる。すなわち現行版の第4曲と第5曲の間に「おまえの顔はとても可愛くて」作品127の2, 「おまえの頬を寄せよ」作品142の2が現行版の第12曲と第13曲の間に「ぼくの恋は」作品127の3,「ぼくの馬車はゆるやかに」作品142の4曲が挿入されている。現行版の16曲からなる「詩人の恋」の見地からは, もともとハイネの詩の主題は失われた愛の“追憶”なのであって, それにまつわる歓びも悲しみも, いわば過去という単一な時間の中での同時的, 併存的な存在である4曲の削除により, 独自の選択と配列によって時間的, 心理的な秩序を形成し, それぞれの歌にドラマ的な佳格を与えたのである。
 シューマンは文学的能力にもたけており, 詩の改変と字句の変換等を頻繁に行っている。また, もともとピアニストを目指し, 多くのピアノ曲を作曲していたのだが同時代に生きたハイネの詩との出会いは歌曲作曲家としての地位を揺るぎないものにした。シューマンの歌曲の特徴は情感の表出は内的で抑制されている。ピアノ伴奏はアラベスクな描写に終始し, メロディーラインを目立たない様に平行になぞるか, あるいはメロディーの輪郭をくまどる方が多い。ピアノ伴奏つきリードを文学的表現にまで高めようとするところがシューマンとシューベルトの作品の違いである。
 それではここで全16曲の演奏法について触れてみたい。
言語
日本語
資源タイプ 紀要論文
出版者
島根大学教育学部
The Faculty of Education Shimane University
発行日 1998-12-01
アクセス権 オープンアクセス
関連情報
[NCID] AN00107952