二台のピアノによる実践教育について(III)

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File
b002002900k003.pdf 1.52 MB エンバーゴ : 2001-10-08
Title
二台のピアノによる実践教育について(III)
Title
A Practical Education with Two Pianos(III)
Title Transcription
ニダイ ノ ピアノ ニヨル ジッセン キョウイク ニツイテ 3
Creator
Yoshina Shigemi
Source Title
島根大学教育学部紀要. 人文・社会科学
Memoirs of the Faculty of Education. Literature and Social science
Volume 29
Start Page 17
End Page 26
Journal Identifire
ISSN 02872501
Descriptions
Abstract
1 序論
 「二台のピアノによる実践教育I」及び「II」において、筆者は二台のピアノによる合奏について論じた。前論文「I」、「II」における内容は以下のように要約できる。
 音楽が社会に存在する最大の理由は、「音」を通した人間相互のコミュニケーションに他ならないと考えられる。ピアノによる「合奏」では、まず奏者二人の創造への意志同調が基礎となっている。この同調は決して容易な妥協ではないと考える。楽器として、他のどの楽器よりも高い表現可能な能力を持つピアノは、多くの人の協力のもとで作りあげられるオーケストラ曲を、一人で、また二人で演奏することも可能である。そして技術的にいくらか未熟であっても演奏し、相手と一緒に音楽を生み出していくことが可能である。また日本の西洋音楽は明治期、精神も何もないところから始まったことにより、テクニック中心となったと言われている。このようなテクニックのみの弊害についての欠点を除く為に、二人で演奏し、教師のテクニックと学生のテクニックの一致を試み、音楽的充実と精神の充実を完成させる方向に指導する。そのためには、何が重要かということを論じた。また、Piano Duo の魅力であるかそけき感情の伝達は、何を創造するのかを考察し、次のように結論した。
 Piano Duo を二人でする行為は、音覚とも呼ぶべきものを合奏で作り上げる事である。上記を研究するために、我々はBartok,B.(1881‐1945)の作品を中心として、Piano Duo の楽しさと魅力そして技術面の充実に、先達のテクニックから学びとってきた。音覚を生成するためには、教師と学生のPiano Duo が存在し、学生が次の世代の教師となり、学生とPiano Duo を組む事によって、我々の現在の音楽文化の伝達が、脈々と受け継がれるのである。また筆者の研究室における実践教育の歴史として、演奏会活動についても記述した。
 今回この小論では、上記の内容をふまえてraison d'etre を、なぜPiano Duo をするのかについて、言葉を伴わない意志・伝達及び感情の表現の一端を、二台四手、二台八手のピアノ作品を基に、二人の偉大な音楽家Hans Moldenhauer とErnest Lubin の著作より考察する。
Subjects
二台のピアノ
Piano Duo
Language
jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publisher
島根大学教育学部
Date of Issued 1995-12
Publish Type Version of Record
Access Rights open access
Relation
[NCID] AN00107952