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島根大学論集. 人文科学 Volume 7
published_at 1957-03-30
承久記諸本の系譜について
[Tomoda Yoshinosuke]
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Descriptions
鎌倉初期政治史上の劃期的事件である、承久の乱についての基本的史料としては、鎌倉側の吾妻鏡と並んで、京都側の承久記が現存している。しかしながら承久記はいわゆる軍記物であつて、歴史事実を伝えていると保証することは困難であろう。したがって承久記を史料として用いるためには、まずその史料批判がされなければならない。
現存の承久記には、流布本承久記・前田本承久記・慈光寺本承久記・国民文庫本承久記・承久兵乱記・承久軍物語の諸本があるが、承久軍物語の成立についての竜粛氏の研究を除いては、これら諸本の研究は全然なされていない状態であり、したがってこれら諸本は史料としては、ほとんど無批判のまま採用されている現状であると言つても差支えないであろう。吾妻鏡が諸先学により、幾多の研究がなされているのに対して、一見不思議な現象と言わなければならない。本稿は承久記諸本の史料批判の一階梯として、流布本承久記・前田本承久記・国民文庫本承久記・承久兵乱記について、その系譜関係を明らかにしようとするものである
現存の承久記には、流布本承久記・前田本承久記・慈光寺本承久記・国民文庫本承久記・承久兵乱記・承久軍物語の諸本があるが、承久軍物語の成立についての竜粛氏の研究を除いては、これら諸本の研究は全然なされていない状態であり、したがってこれら諸本は史料としては、ほとんど無批判のまま採用されている現状であると言つても差支えないであろう。吾妻鏡が諸先学により、幾多の研究がなされているのに対して、一見不思議な現象と言わなければならない。本稿は承久記諸本の史料批判の一階梯として、流布本承久記・前田本承久記・国民文庫本承久記・承久兵乱記について、その系譜関係を明らかにしようとするものである
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