本研究では、21 件の文献から、統合失調症患者の治療拒否の内容と患者の状況を整理する目的として文献研究を行った。文献から発表年ごとに論文を算出し、治療拒否の内容と患者の状況について分析した。発表年数は2015 年以降で多くなっており、対象文献の6割は直近5年間で発表されていた。治療拒否の内容は、服薬拒否と治療プログラムの拒否、関わり拒否の3つの拒否が発生することが示された。治療拒否をする患者の状況は、治療に対して積極的に参加ができないことや病状を理解できていないこと、薬剤による有害事象を自覚する、内服の効果を理解できていないこと、周囲の人と相談できる関係ができていないの5つが挙げられた。医療従事者は、統合失調症患者と治療や服薬に対する思いを共有しながら働きかけることで治療に参加できるよう支援する必要があると示唆された。