山陰研究

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山陰研究 11
2018-12-31 発行

自分史の超NPM論・寄付編―島根県共同募金改革を題材に

A review of my own practices for beyond New Public Management: the case of  the reform of Shimane Community Chest
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内容記述(抄録等)
本稿は、ここ20年ほどの自らの公共的「実践」を「超NPM(New Public Management)」という視座から振り返らんとするもの、裏を返せば、NPM の限界・陥穽を乗り越えるための諸戦略を経験的に検証しようとするもの―正確にはその構想の第一編―である。まず、出発点として、NPM のなかに5つの原理を確認し、それらを超克する戦略を素描した。次いで、本稿では、射程を一つ目の原理、すなわち仮借なき財政圧力に絞り、それへの対抗として、「民民資金」―民間から民間へのお金の流れ、典型は寄付―の充実を説く。そして、ケースとして、筆者の関わった「島根県共同募金改革」実践を取り上げた。具体的には、約10年の経緯を「改革推進検討委員会」の活動を中心にフォローし、その到達点と課題を検証している。結果、例えば、募金額減少が一定程度抑えられた一方、認知度や助成先の広がり等ではいまなお課題を残すことが判明した。なお、そのうえで我々は、この「対抗」戦略自体への懐疑も忘れない。寄付の基本原理ともいうべき「共感」と「成果」にもまた一定の限界・陥穽がみられる
のである。
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