本稿では、まず第1節で「言語と文化」の関係を日本語ならびに英・独・仏の三言語をふまえながら概観し〔執筆:池田〕、さらに第2節では具体的な分析対象を「気」の表現にしぼり、本プロジェクトで構想する「言語文化学」的視点からその問題点を明らかにする〔執筆:池田〕。そして、第3節が具体的な分析となっており、「気」表現が用いられている平易で日常的な日本語の文と対応する表現を英語、ドイツ語、フランス語にもとめ〔執筆:広瀬(英)、西脇(独)、島本(仏)〕、その比較検討をとおして、日本語の「気」表現の独自性を再確認し、その「言語文化学」的位置づけを試みる〔執筆:島本、西脇、広瀬〕。なお、「はじめに」と「おわりに」は、執筆者全員の考えをまとめたものである。