島根大学文理学部紀要. 文学科編

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島根大学文理学部紀要. 文学科編 9
1975-12-27 発行

イーヴリン・ウォーにおける滑稽と諷刺

Absurdity and Satire in Evelyn Waugh
鈴木 繁一
ファイル
a008009h011.pdf 1.97 MB ( 限定公開 )
内容記述(抄録等)
この小論では,イーヴリン・ウォーの作品論の予備段階として,作品を個別に論じる際にはよくとらえ難い問題を,二つ展望する。それらは,作品の特質とテーマについてのものである。これらを十分に展開するとすれば作品論が先だたねばならないが,一つでも作品を論じようとする時,すでに多くの作品と資料に接し,基本的な作家観をもつようになる。これから展望する二つの問題は,私がウォーの作品を個別に論じる時,特に注意を払いたいと考えていることなので,今後の論述の便利のために、あらかじめそれらを見ておきたいのである。作品の真実の姿を見極めようとする時,作品の幸せな美質や公言されたテーマだけを見るのでは不十分である。以下においては,ウォーの作品のある特質とテーマについて,それらが重要であるだけに,厳しく見ることになるであろう。