澤田(2014) と一條(2022) はWILL BE V-ing 構文に「未来における進行中の状況」「ことの成り行きの未来」「現在における進行中の状況に関する推量」といった3タイプの多義性を認めている。澤田は「現在における進行中の状況に関する推量」の助動詞willだけが認識的法助動詞であると述べ、「未来における進行中の状況」「ことの成り行きの未来」において助動詞willは(単純) 未来の助動詞であるとしている。これに対し、本稿では「未来における進行中の状況」もモダリティを反映していること、さらに「ことの成り行きの未来」において助動詞willは命題内容化されていることを主張する。
また、一條はWILL BE V-ing 構文の「ことの成り行きの未来」用法と「意志を表すWILL BE V-ing 構文」とを対比させ、「ことの成り行きの未来」用法が話し手の意志を表さないのに対し、「意志を表すWILL BE V-ing 構文」が話し手の意志を表すと述べている。しかし、この用法は「話し手による現在時での予測判断」を表しており、文脈に依存して「現在における進行中の状況に関する推量」用法と「未来における進行中の状況」用法に「意志」とされる解釈が与えられることを述べる。