島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 54
2021-02-17 発行

乳幼児のいる家庭における畳空間の使われ方と畳のニーズ

The Uses of Tatami Space and Needs of Tatami-mat in Families with Infants
平井 優希
ファイル
内容記述(抄録等)
乳幼児のいる家庭における畳空間や畳の使用状況、畳の上での乳幼児の様子、保護者の畳に対する意識などを調査し、子育てにおける畳の意義、子育てにおいて求められる畳像を検討することを目的として研究を行った。
(1) 乳幼児のいる家庭の約9 割の住宅に畳空間があり、8 割以上の人が子育てにおいて畳が「必要である」と考えていた。
(2) 畳空間は「寝室」「多目的室」として多く使用されていた。生活行為別では、「休養の場」としての使われ方と、「体を動かす遊びの場」としての使われ方が見られた。畳の上での乳幼児の様子は、ゴロゴロしている等、姿勢に関する項目が最も多かった。畳の弾力性・保温性、等といった利点がこのような生活行為や乳幼児の行動に繋がったものと考えられる。
(3) 子育てにおける畳の利点は「直に寝転ぶことができる」の割合が最も高く、ハイハイをしたり寝ころんだりすることが多い乳幼児をもつ保護者にとって大きな利点となっていると言える。欠点は衛生面であり、畳の良さを活かしながらいかに欠点を改善していくかが子育てにおける畳の使用の課題と言える。
(4) 畳への評価や新しい畳の利用希望は高かった。畳の特性や新しい畳等、子育てをする保護者が情報を得られるような機会を設けることが求められる。