新学習指導要領で求められている「主体的・対話的で深い学び」の在り方や学びの深さに対する考え方, またその評価の手法が各学校で模索されている. そこで, 理科学習における生徒の概念変容に着目し, 座学に偏りがちな「生物の進化」の単元で, 概念変容教授モデルを参考にした単元構想をおこない, 各時には多様な協調的な学習を行った. さらに,単元の進行に伴い, 生徒の考えがどのように変化していったかを追うため, 3 回の概念地図(ConceptMap)の作成を行い, 生徒の考えの変容を読み取ろうと試みた.
生徒は, 単元の進行に合わせて, 進化という現象をより複雑な関連付けで表現しようとし, 最後の概念地図では多くの生徒がかなり精緻化された表現で概念地図を作成した. また, 最初の概念地図から最終回の概念地図まで, 全てをスクラップ&ビルドするわけではなく, 元々の自分の考えに修整を加えつつ新しい考えを積み重ねて付け加えていく姿が見られた. このことは, 概念地図をうまく評価することができれば学習評価の手法として活用できる可能性を示唆している.