( 1 )父子間でのコミュニケーションは、母子間でのコミュニケーションに比べて少なかったが、親子のコミュニケーションの満足度に、より影響を与えていた。そのため、父子間のコミュニケーションを増やす工夫が必要であると考えられる。
( 2 )親子の会話の場はリビングが中心であり、よく話す親子ほどリビングでの会話が多いという傾向が認められた。リビングの重要性を理解し、家族のコミュニケーションの場として十分に機能するような工夫が必要であると言える。
( 3 )親子の積極的なかかわりが求められている。このことを踏まえた上で、コミュニケーションのかたちに合わせた住まいの工夫の導入がより効果的であると考えられる。
( 4 )親子のコミュニケーションを重視した住まいの工夫は、導入している場合はその工夫に対する評価が高い傾向が見られ、実際に導入することによってその良さを実感されているということだと考えられる。このことから、親子のコミュニケーションを重視した住まいの工夫やその効果をさらに広く紹介していくことが必要であると言える。また、各々の工夫がどのような家族に適しているのか、詳細に検討していくことが課題であると考える。