島根大学教育学部紀要

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島根大学教育学部紀要 53
2020-02-17 発行

小中連携によるエシカル教育の実践

A Practical Study on Ethical Education for Elementary and Junior High School Students Though Cross Age Teachings.
鎌野 育代 島根大学教育学部
青木 佳美 島根大学教育学部附属義務教育学校後期課程
竹吉 昭人 島根大学教育学部附属義務教育学校前期課程
平井 早苗 島根大学教育学部
多々納 道子 島根大学名誉教授
ファイル
内容記述(抄録等)
 現在の消費者教育に最も期待されていることは、消費者市民社会の形成に向けて消費者市民を育成することである。また、消費者市民社会の形成に必要な消費者市民の行動は、エシカル消費である。そこで、本研究は、児童・生徒にとって身近な弁当の消費を事例として、自らの消費行動が経済、社会、環境に与える影響を理解している消費者、持続可能な消費を実現する消費者、他者と協働して積極的に地域や社会の問題を解決するために行動できる消費者を育成するために、小学校と中学校が連携し、エシカル消費についての共通の教材を用いることで互いに学びあうという形態の授業開発を試みた。
 まず、エシカル消費を捉えるための視点として、人や社会への配慮、環境への配慮、地域への配慮といった3 つの視点から様々なから揚げ弁当の選択についてエシカルポイント(エシカルな消費をポイント化したもの)を設定し、エシカル消費を可視化した。また、中学生がエシカル消費について学んだことを小学生に伝えるといった連携の授業を行った。
 本研究で開発した小・中連携によるエシカル消費について理解を深め、実践力につなぐための授業実践は、児童・生徒にとって互恵性のある学びであったこと、生活現実に沿った主体的な学びであったことが明らかとなった。
DOI(SelfDOI)