アメリカの初等科学教科書の一つである『Science Grade 6』には4種類の学習内容構造が明示されている。4種類の学習内容構造に基づいて日本の中学校理科教科書「電流とその利用」単元における学習内容構造を図に表して分析・検討を加えた。その結果,日本の教科書に見られる学習内容構造には,直接的に中心となる科学的知識に至る4パターンと組み合わせて中心となる科学的知識に至る16パターンを合わせた最大20パターンのうち12パターンが見られた。そして,日本の教科書それぞれで学習内容構造の適用パターンが異なっていた。さらに,5つの日本の教科書とも「主な考えと詳細」の学習内容構造を用いている学習内容が多く見られた。