島根大学教育学部紀要. 教育科学

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島根大学教育学部紀要. 教育科学 32
1998-12-01 発行

生涯学習関係団体の連携に関する実証的研究

A Research on the Cooperation among Lifelong Learning-Related Groups
清國 祐二
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内容記述(抄録等)
 高齢化,過疎化,都市化,少子化,情報化,国際化等の急激な社会変化は私たちの生活する地域社会に大きな影響を及ぼしている。地域社会が共同体としての教育力を保持していた時代には対応可能であった諸問題も,現在では多様化,複雑化の様相をみせており,混迷の度を増している。それらを列挙するまでもなく,世紀末を思わせる連日の青少年問題に関わるマスコミ報道が事態の深刻さを如実に表している。
 地域社会の多様で複雑な課題は,もはや学校,教育委員会,各種団体等の個々の取り組みでは到底対応しきれない。生涯学習社会の形成という文脈の中で,コミュニティの再生と地域アイデンティティの構築が叫ばれていることも,それと無関係ではない。今後,私たち地域の構成員がそれぞれの立場から主体的に地域づくりに関与することが求められ,かつ多様で緩やかな新しい縁によって結ばれる関係づくりが急務となる。
 従来,地域の活動の中心的役割を果たしてきた生涯学習関係団体1)は,団体の活動を通して学習を行うと同時に,地域の課題の解決を目指し,それぞれの設立の趣旨に基づいて独自の活動を展開し,地域貢献をしてきた。しかしながら,構成員の減少等諸団体を取り巻く環境は厳しく,加えて急激な社会変化や間題の複雑化がそれに拍車をかけ,単一団体での活動では対応に困難な状況も生まれてきている。
 そこで地域の生涯学習関係団体の連携をキーワードとし,主にその実態を明らかにすべく調査を実施した。平成9年度に開始された生涯学習関係団体交流研修会2)の開催を機に行ったものでもある。