「今後の特別支援教育の在り方(最終報告)」 (2003:文部科学省)の公表以降,児童・生徒一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育の在り方が問われるようになった。本研究では,通常学級に在籍する児童・生徒の中に存在する学習スタイル傾向について小学5年生・中学1年生・3年生へ質問紙による調査を行った。学習スタイルについては, Alistair Smith(1996)が提唱したVAK(Visual・Auditory・Kinesthetic)モデルを参考にして研究を行った。分析の結果,児童・生徒の中には,「運動・聴覚・視覚・強み混在・弱み混在・動かない」という6つの学習スタイル傾向(タイプ)が存在した。この6つのタイプとQ-Uや学力テスト等の関連性を分析すると,各タイプと児童・生徒の学校生活や学習との関連性や支援の方向性が明らかになった。児童・生徒の中に存在する学習スタイル傾向と学習や生活との関係について,運動・聴覚・視覚という視点から考察した。