島根大学大学院教育学研究科「現職短期1年コース」課題研究成果論集

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島根大学大学院教育学研究科「現職短期1年コース」課題研究成果論集 3
2012-03-23 発行

数学的記述表現力の向上を促す「自己評価カード」の開発と評価 : 小学校算数科第5学年図形領域での実践を通じて

Development and evaluation of the ”Self-evaluation card” encouraging mathematical writing : focused on practices in geometry to Fifth-grade students in elementary schools
竹田 賢治
ファイル
内容記述(抄録等)
2008年に改訂された小学校学習指導要領では,従来重視されていた数学的な思考力に加え,数学的な表現力の育成も掲げられた。本研究の目的は,記述による表現に焦点をあて,小学校5年生段階の児童の記述表現の特徴と問題点を明らかにした上で,その問題点を克服する指導手法を開発し,その有効性を評価することである。まず,児童がどのように説明を記述するのかを,図形に関する課題を用いて調査し,ループリックを作成し評価を行った。 その結果,既習の算数の用語を使うことができていない点,どのような操作をして考えたのかについては記述できていない点などが明らかとなった。以上の課題をもとに,自らが記述した内容についての自己モニタリングを促す「自己評価カード」を開発した。その有効性の評価を行うために,四角形の求積課題において「自己評価カード」を使用する実験群と添削指導による統制群とにわけ,調査を行った。その結果,自己評価カードによるフィードパックは,教師による添削のフィードパックと同等の効果が得られることがわかった。