島根大学農学部研究報告

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島根大学農学部研究報告 4
1970-12-15 発行

「島根廿世紀梨」の共同販売の展開

The Development of Co-operative Marketing of Nijjiseiki-Pear Produced in Shimane Prefecture
猪股 趣
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内容記述(抄録等)
 筆者は別稿で,島根県能義郡島田村(昭和29年4月に安来町その他4村が合併したために現在は安来市島田町)の特産物である廿世紀梨と筍を素材として,「地域特産の形成と共同販売」について論じた.同稿では,地域特産の形成経緯を篤農安松熊太郎の事蹟に照らして明らかにし,同時に農会が,農村副業の奨励という見地から指導を加えた事情を検討し,さらに,特産物の販売を担当した出荷団体の組織と活動状況にたちいって,農産物のマーケティングという問題が,生産指導にいかに規定されるかという点について考察した.
 本稿では,能義郡農会が共同販売に着手した昭和6年以降の「島根廿世紀梨」のマーケティングの状況を,島根県農会報の諸記事を引用しつつ詳論し,つづいて,戦後における「島根廿世紀梨」の共同販売の展開を,安来市農協の共販を中心としてあとづけた。
 なお,「島根廿世紀梨」のマーケティングに関しては,解決されるべき多くの課題が残されているが,本稿ではそのうちで,農協共販に関連する問題点として,2~3の事項を指摘したい.