Journal of social systems

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Journal of social systems 7
2002-12-25 発行

地方高校生の地域愛着意識とUターン : 島根県の高校生調査から

Rural senior high-school student's attachment to their hometown and U-turn
Eguchi, Takayasu
File
a010007h005.pdf 1.8 MB ( 限定公開 )
Description
これまでの先行研究では,高校生の地域意識に関する体系的な計量分析はほとんど行われてこなかった。彼等と地域社会とのかかわりについてほとんど考察されてこなかったのは,(1)高校生の生活構造のなかでも学校や家族を中心とする分析視点が強調されるため,あるいは(2)現代における地域社会の流動的側面を重視しすぎるため,と考えられる。しかし島根県では,高校生のうち現住地以外での生活経験がほとんどない者が全体の約7割を占めているため,地域移動の多い都市の高校生と比べると,はるかに地域社会とのかかわりが強いと予測できる。それゆえ地方高校生の地域意識を検討することは十分意義のあることである。さらに,地方における高校生の地域意識を分析することは,将来のUターンやJターンの動向を探る重要な糸口になるという意味で実践的な意義をもっている。
本稿では,島根大学社会学研究室が行った「島根の高校生の生活意識調査」のデータから,地域意識の中でも島根県在住の高校生の地域愛着意識(質問文「今住んでいる地域が,好きである」)に着目し,(1)それがどのような規定要因によって形成されるかについて分析し,(2)そしてそれが将来のUターン意識にどのような影響を与えるのか,について考察していく。