本稿では、実験方法を立案する場面における「主体的に学習に取り組む態度」の評価を試みた。生徒にふりかえりの視点を明示して記述させたふりかえりを評価の対象として記述分析を加えるだけではなく、記述分析では評価が難しかった生徒について、授業中の生徒の行動や発言等を見とった行動分析をつけ加えて「主体的に学習に取り組む態度」の評価を試みた。
その結果、次の3点が示唆された。第一に、ふりかえりの視点を明示して記述させることで、多くの生徒が自身の学びの履歴を記述できた。「主体的に学習に取り組む態度」を評価する際には、ふりかえりの視点を明示して記述させると、より多くの記述分析の対象となるふりかえりが得られる。第二に、記述分析だけでは評価が難しかった生徒も、行動分析をつけ加えると評価できた。「主体的に学習に取り組む態度」を評価する際には、記述分析だけ、行動分析だけではなく、記述分析と行動分析の双方を行う必要がある。第三に、記述分析に行動分析をつけ加えて「主体的に学習に取り組む態度」を評価すると、記述分析のみでの評価より、上方に評価を修正できる可能性のある生徒を少なからず見取ることが可能である。この点からも「主体的に学習に取り組む態度」を評価する際には、記述分析だけ、行動分析だけではなく、これらの分析方法は補い合う性格を持つ評価方法であることを教員は知っておく必要がある。