本研究は生徒の学習スタイルをふまえた指導法を開発し,効果を検証することを目的とする。ここでいう学習スタイルをふまえた指導法とは,Smith(1998)のVAK モデル(visual 視覚,auditory 聴覚,kinesthetic 運動感覚)に基づくものである。また,その検証結果に基づいて,英語学習に困難を感じる生徒にそれぞれの学習スタイルに合った指導方法を検討することを目的とする。
中学校1年生138名を対象に,be動詞と一般動詞,既習単語の復習の授業を行った。生徒には授業前に学習スタイル調査を行い,学級ごとに固定する学習スタイルを決定した。当該学習スタイルが優位に働く群を+群,そうでない群を-群と付した。学級ごとに固定した学習スタイルで1単元3時間の授業を行った(1組 運動感覚,2組 視覚,3組 聴覚,4組 統制群)。授業の事前・事後・遅延で学習定着度を測定するテスト,事前・事後で英語学習に対する意識調査を実施し,生徒の変容を見とった。また,事前・事後で英語学習に対する意識調査も実施した。