学習に困難を感じる生徒に特別な教育的支援を行う必要性は広く認識されつつあり効果的な学習支援方法開発への要請は高い。本研究では宮崎(2012)等を参考に作成した英語の学習スタイル質問紙による調査を中学校2年生96名に実施した。因子分析の結果,「聴覚優位/視覚優位・熟慮/運動感覚優位」学習型及び「聴覚情報嗜好型」の四因子が得られた。さらに,これら因子によって全生徒をクラスター分析を用いて分類した。「聴覚・視覚・運動感覚利用/聴覚情報活用/運動感覚利用/視覚情報利用・熟慮」学習タイプ及び「聴覚・視覚・運動感覚/運動感覚」学習不使用タイプ「聴覚情報嗜好タイプ」の7つの学習スタイル類型に分類された。次に,これらの類型の中から聴覚に関係する学習スタイル類型に焦点化し,各類型に配慮した支援を計4名の生徒に実施した。その結果学習スタイル類型に対応した学習支援には学習効果及び意欲向上の面で一定の効果が見られた。質問紙の改良や生徒の学習スタイルを配慮して通常の英語授業を行う方策等今後の課題について考察した。