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Title |
漫画の中のアメリカ英語の社会言語学
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Title |
Sociolinguistics in American Comic Strips
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Title Transcription |
マンガ ノ ナカ ノ アメリカ エイゴ ノ シャカイ ゲンゴガク
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Creator |
Yamada Masayoshi
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Source Title |
英語教育と英語研究
English education and English studies
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Volume | 11 |
Start Page | 21 |
End Page | 29 |
Journal Identifire |
ISSN 09121439
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Descriptions |
アメリカ英語・文化の実態を観察しようとするとき,資料の一つに漫画が考えられる。言語学入門書で、アメリカ人の手になるものの中に、漫画から言語学の適切な題材を取り上げているのはFromkin and Rodman(1974,1993)であったが,指示詞の研究に漫画からの用例を使用した千葉・杉村(1987)の例もある。
断片的には,山田(1993b)ても privatize の意味用法をB.C.の例で検討した場合もある。特に,語形成(Word formation)の場合にはB.C.には意図的にWiley's Dictionaryのカテゴリーで扱われていることが多い。 漫画家が時の流れに敏感であればあるほど,その時代の言語と文化を,描く漫画の中に取り入れる。それを読み取ることは,したがってその言語と文化の中に住んでいない外国人にはいかにも困難なことで,幅広い知識と,絶え間ない言語と文化の観察が要求されることになる。例えば,廣淵(1933:151−152)の解釈には,次のような大きな誤解がある。 廣淵訳では,コマを迫って, 「あの可愛い赤毛の女の子がここへやって来て,ボクにキスをしたらこたえられないだろうな?」 「そうしたら,ボクは言うんだ。『ありがとう。このキスは何のためだい?』って。そしてまた彼女が『だって私すっとあなたを愛していたんですもの!』っていったら,こいつはこたえられないだろうな?」 「そしたらボクは彼女をぐっと抱きしめてやる。そしたら彼女はまたボクにキスをするのさ。こりゃこたえられないだろうな?」 「もしフレンチ・フライドポテトが効き目を表わして(恋の橋渡しをして)くれたらちょっとしたものなんだがなあ?」 とあり, 彼女がフライドポテトが好きで,そのために少しはボクにお世辞で近づいてきてくれたら,こいつは豪気なんだがなあ,というわけである。この四コマ目ての「落ち」か実によくきいている。 と、解説する。しかしながら,この解釈には誤りがある。3コマ日までの淡い夢の世界から,突然現実の大好きなフレンチ・フライドポテトの世界に戻り,ジャンクフードの代表とも言うべき油とカロリーの多い,とても健康食とは呼べないそれが,人の健康によい(good for you)とくれば、こたえられないなあと考えたわけてある。ここら辺りが分かっていないから、日本語訳も,解説も共にあらぬ方向へ展開してしまったのである。 本論では,いくつかの顕著な例を取り上げてみる。 |
Language |
jpn
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Resource Type | departmental bulletin paper |
Publisher |
島根大学教育学部英語教育研究室
Department of English Faculty of Education Shimane University
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Date of Issued | 1994-03-01 |
Access Rights | restricted access |
Relation |
[NCID] AN10143442
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