Höraufgaben bei „Diplom Deutsch in Japan“: Untersuchung der Prüfungsstufe 4

抄録・要旨

　本論では「ドイツ語技能検定試験」（略：独検）のリスニング問題を分析した。1992 年に初めて開催された独検は日本語話者向けのドイツ語の検定試験であり、財団法人ドイツ語学文学振興会によって毎年全国各地で夏期試験と冬期試験が開催される。ドイツ語で「Diplom Deutsch in Japan」（略：DDJ）と言われる独検では５、４、３、２級、準１級と１級がある。独検試験は基本的に「筆記試験」と「書き取り試験」の２つのパートに分かれているが、準１級と１級では口述試験もある。島根大学が単位認定に利用する４級を対象にして、本論は2019 年の冬期試験の「聞き取り試験」の問題を分析した。「聞く」技能において、「globales Hören」（場面の聴き取り）、「selektives Hören」（ポイントの聴き取り）と「detailliertes Hören」（詳細の聴き取り）のリスニングストラテジーのうちどれを扱っているか、リスニング能力が試される問題形式及び、Schulz（2021）で議論した「geschlosseneAufgabe」（閉じたタスク、日本でいうところの選択問題）「halboffene Aufgabe」（半オープンなタスク）と「offene Aufgabe」（オープンなタスク、日本で言うところの記述式問題）のカテゴリーでどれが出題されるか、それぞれ調査した。
　その結果、分析した４級の「聞き取り試験」の問題には、「selektives Hören」と「detailliertesHören」の問題がある一方、「globales Hören」は出題されないことが明らかになった。問題形式（Aufgabenmodelle）では、「geschlossenen Aufgabenmodell」(Multiple-Choice-Aufgabe)（ 選択問題形式）と「halboffene Aufgabenmodell」(Lückentext)（空欄のある文章を完成する問題）があるが、「offene Aufgabe」は用いられていない。第１部、第２部、そして第３部に分かれた「聞き取り試験」の特徴をまとめると次のとおりであった。第１部は、「detailliertesHören」（詳細の聴き取り）のリスニングストラテジーで、「geschlossene Aufgabe」（閉じたタスク）のうち（Multiple-Choice-Aufgabe）（多肢選択式タスク）の組み合わせであり、完全な聴覚式の問題として出題される。第２部は「selektives Hören」（ポイントの聴き取り）のリスニングストラテジーを中心とした、「halboffene Aufgabe」（半オープンなタスク）との組み合わせ問題である。聴覚（会話を聞く能力）と視覚（空欄のある筆記式のドイツ語文により読解力が求められる）で構成されている。第３部は第２部と同様に「selektivesHören」（ポイントの聴き取り）のリスニングストラテジーを必要とする問題だが、第１部のように「geschlossene Aufgabe」（閉じたタスク）のうち（Multiple-Choice-Aufgabe）（多肢選択式タスク）の組み合わせである。構成を見ると第２部のように聴覚と視覚の組み合わせだが、ここでの視覚では読む能力を求めるドイツ語文ではなく、４つのイラストの中から正しいものを選ぶ問題形式である。４級の第１部、第２部と第３部の形式とリスニングストラテジーでそれぞれ共通点も相違点もあることが分かった。この分析が４級の試験に対する教員の指導の参考になると確信している。

抄録・要旨

Diplom Deutsch in Japan (DDJ) ist ein zweimal jährlich, im Sommer und Winter, landesweit in Japan stattfindender Sprachtest1, in dem die Kenntnisse der deutschen Sprache eines Nicht- Muttersprachlers überprüft werden. Der Test wird auch von verschiedenen Universitäten in Japan anerkannt, wie z.B. an der staatlichen Universität Shimane, wo die Stufe 4 des Tests gleichgesetzt wird mit den Gesamtcredits aus den Sprachkursen „Deutsch I“ und „Deutsch II“. DDJ existiert seit 19922 und wurde seither mehr als vierhunderttausend Mal angetreten. In der vorliegenden Abhandlung wird nun die Stufe 4, die von der Universität Shimane hinsichtlich der Credits anerkannt und daher auch von Studenten absolviert wird, im Bereich der Höraufgaben untersucht. Die Untersuchung der Höraufgaben wird sich nach den möglichen drei Hörstrategien, den vorkommenden Typen der Aufgabenstellungen sowie nach der Kategorisierung in die drei möglichen Aufgabenmodelle (geschlossen, halboffen oder offen) richten. Als Gegenstand der Untersuchung wurde die Winterprüfung 2019 der Stufe 4 ausgewählt. Als Vorlage dient die Prüfungssammlung, die im darauffolgenden Jahr 2020 erschienen ist.