ハインリッヒ・フォン・クライストのノヴェレ 『聖ドミンゴ島の婚約』について : Misstrauen を中心にして

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File
a003000402h011.pdf 1.36 MB エンバーゴ : 2004-02-23
Title
ハインリッヒ・フォン・クライストのノヴェレ 『聖ドミンゴ島の婚約』について : Misstrauen を中心にして
Title
Uber die Novelle "Die Verlobung in St. Domingo" H. v. Kleists
Title Transcription
ハインリッヒ フォン クライスト ノ ノヴェレ セイ ドミンゴトウ ノ コンヤク ニツイテ MISSTRAUEN オ チュウシン ニ シテ
Creator
Source Title
島根大学法文学部紀要文学科編
Memoirs of the Faculty of Law and Literature
Volume 4
Issue 2
Start Page 213
End Page 226
Journal Identifire
ISSN 03886859
Descriptions
詩人が当該作品の構想を練ったのは,1802年~03年と推定されている。当該作品の素材は,ラインフォルトの『ハイティ島物語』(1806),ドゥブロカの『聖ドミンゴ島の暴動物語』(1805)に依っていると言われる。
当該作品をめぐって解釈は大きく二分される。古典的研究書は,作品の一つの中心点である白人と混血娘の結婚をあまりにも楽観的に理解している。その代表は,W.Herzog とF.Braigである。それに対し,この結婚をそれ程楽観的に理解しないのが最近の研究である。この点を楽観視することは,作品を解釈する上でかなり危険であるように筆者には思われる。従ってこのような理解に対してまず疑問を呈しておきたい。
さて当該作品の背景は,「白人―黒人」対立である。この対立自体は,それだけでは作品の内容と本質的関連をなしてはいないが,しかし,作品に一貫している不信の念と深く関わっている。従ってこの対立から分析をはじめてゆかねばならない。そして当該作品の中心モチーフである《不信》について論述してみたい。この《不信》は,作品の基底をなし展開の動力になっている。そしてかくして作品の悲劇的核心へと肉迫してみたい。
Language
jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publisher
島根大学法文学部
Shimane University, Faculty of Law and Literature
Date of Issued 1981-12-25
Publish Type Version of Record
Access Rights open access
Relation
[NCID] AN00108081