牧畑の農業経営的特性(第4章)

島根農科大学研究報告 Volume 1 Page 24-53 published_at 1954-03-30
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File
d0020001n004.pdf 5.42 MB エンバーゴ : 2002-07-29
Title
牧畑の農業経営的特性(第4章)
Title
4. Characteristics of "Makihata" Farming in Farm Management
Title Transcription
マキハタノノウギョウケイエイテキトクセイダイ4ショウ
Creator
Sakamoto Shiro
Takenami Shigeo
Source Title
島根農科大学研究報告
Volume 1
Start Page 24
End Page 53
Journal Identifire
ISSN 05598311
Descriptions
 隠岐牧畑は前述の通りわが国において珍しい農業のやり方である。その特徴については従
来多くの文献が詳説している。錦織英夫氏は,(1)強制耕作,(2)土地所有の分散と経営地の分
散,(3)村民の放牧権平等と牧柵修理等の義務負担,(4)土地所有,耕作,放牧の相助関係,(5)経
営の粗放性を挙げられている。細川善麿氏の説も大体以上と同様である。久保佐土美氏の牧畑
の特徴は西欧穀草式との比較であるからこれを省く。中野正雄氏は最近の報告で,(1)牧畑耕種
生産の自給性,(2)経営の零紬性,(3)牧畑の兼業性,(4)牧畑の耕種生産から養畜生産への重点移
動,(5)経営の粗放性,(6)農業技術の停滞性と跛行性等について述べられている。又牧畑の衰退
については田中豊治氏の論文がある。
 以上の如く牧畑の特性については既に種々述べられているが,これらは何れも適当な指摘で
あり,、肯定されなけれぱならないであろう。しかしわれわれは今回の調査の結果,最も重要な
性格がぬけているように考えざるを得なかつた。それは牧畑の低生産性である。牧畑の低生産
性こそ牧畑の諸現象を解くのに最も重要な鍵であると考える。牧畑の衰退現象も,牧畑の農家
経済における従属的地位もこれによつて理解が容易である。故にここでぽ牧畑の低生産性を中
心として,牧畑農業の経営的特質を究明することとする。
Language
jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publisher
島根農科大学
The Shimane Agricultural College
Date of Issued 1954-03-30
Access Rights open access
Relation
[NCID] AN00108241
Remark A,Bを含む