技術科教育におけるパーソナルコンピュータの活用

島根大学教育学部紀要. 教育科学 Volume 28 Page 87-99 published_at 1994-12-25
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File
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Title
技術科教育におけるパーソナルコンピュータの活用
Title
Application of Personal Computer to the Technological Education in a Jr. High School
Title Transcription
ギジュツカ キョウイク ニ オケル パーソナル コンピュータ ノ カツヨウ
Creator
Oguni Hiroaki
Watanabe Kazunari
Source Title
島根大学教育学部紀要. 教育科学
Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University. Educational science
Volume 28
Start Page 87
End Page 99
Journal Identifire
ISSN 0287251X
Descriptions
 近年の社会の著しい情報化の進展にともない,学校教育においてもこれに対応していくことが重要な課題とされた。このため,我が国でも,新学習指導要領では初等中等教育における情報化への対応を一つの大きな柱として位置づけている。
 本研究は平成4年度に実施したものであるが,学校におけるコンピュータの普及状況を「文部時報』で見てみると,平成3年3月末現在,小学校では約41%,中学校では約75%,高等学校では約98%,特殊教育では約78%となっている。
 また,教育現場へのコンピュータの導入にともない全国各地の教育現場でコンピュータを活用した実践的な研究が数多くなされている。
 指導形態としては,CAIソフトを利用したものが多く,コンピュータが教える位置にある,いわゆる「教授主義のコンピュータ利用」と言われるものがその主流となっている。
 しかし,個別化教育を目指したCAI教育が全ての子供に適しているとは言い切れず,CAI教育によって教師と子供の関係が阻害されるのではないかという不安の声もある。山崎はもっと日常的な指導形態(一斉指導やグループ別指導)の中でのコンピュータ活用の研究をすすめる必要があるとしている。
 多くの人が指摘しているように,コンピュータを教具として活用することの利点のひとつに,「抽象的でイメージの湧きにくい教材に対してイメージ化を促す」ということがあげられる。その一つとして「分子の構造」という抽象的な世界をパソコンの映像(グラフィック)を活用することによって学習者のイメージ化を助けたという実践報告もある。
 ところで,中学校技術・家庭科,機械領域の「ガソリン機関」の題材における4サイクル機関と2サイクル機関の動作の学習では,従来カットエンジンやOHP,掛図などが活用されてきた。しかし,カットエンジンではピストン及びクランクなどの動きは生徒の視覚に訴えることはできてもシリンダ内やクランク室内のガスの状態を視覚に訴えることはできず,また,OHPや掛図では静止した画像の範囲内でしか機関の動作を理解させることはできなかった。そこで,この欠点を補うべく.ピストン及びクランクなどの動きとシリンダ内やクランク室内のガスの状態との関連を連続した動画像で表示させる教材ソフトを開発した。従来の教具に比較して.生徒のイメージ形成の支援により一層役立つものと考えられる。
 本研究では,このソフトを用いて,4サイクル機関と2サイクル機関の動作を学習させ,前述の,いわゆる日常的な指導形態のもとで,コンピュータを教具として活用することの有効性,実用性を探るために比較実験授業の実践と分折を行なった。
Language
jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publisher
島根大学教育学部
The Faculty of Education Shimane University
Date of Issued 1994-12-25
Access Rights open access
Relation
[NCID] AN0010792X