タイトルヨミ | ヨウジ ノ ジコ ノ ジッタイ ト ハハオヤ ノ アンゼン イシキ
|
日本語以外のタイトル | A Study on the Mother's Security Consiousness and Children's Accidents
|
ファイル | |
言語 |
日本語
|
著者 |
猪野 郁子
石川 好恵
|
内容記述(抄録等) | 1 はじめに
子育て中の母親に焦点を当てた雑誌には,子どもを事故から防ぐためのさまざまな商品の紹介がなされており,しかも実際にそれらが家庭に取り付けられているという。清水玲子は,こうした現象について具体例をひいて,母親たちの過敏ともいえる事故防止対策に警告を発している。 それではこのような対策に比例して実際に事故は減少しているのであろうか。 幼児の事故を不慮の事故死率からみてみると,確かに年々減少している。しかし,死因の第一位であることはここ20年変わらない。幼児の不慮の事故死の多くは溺死と自動車事故によっているが,溺死はやや減少傾向にあるのに対して自動車事故死の割合は減少していない。 保育所や幼稚園の保護者による「交通安全母の会」の活動と地域の道路環境及び交通標識の整備とが連動して,子どもの飛び出し・車の前後の横断・道路での遊びによる事故防止に効果をあげてきた。しかし,車の中への置き去り・いたずらによる窒息・走行中ドアから投げ出される等,車の装備の多様化と保護者の不注意とが相乗して車内での事故が増加しているという。 溺死においても河川・池・海等とともに浴槽等による家庭内の水死も多いこと、並びに,最近は家庭内にある様々な洗剤に代表される中毒事故,住宅の高層化による転落落下,火傷等生活構造の変化による不慮の事故も多くなっている。これらは,保護者や大人の不注意によっていることは周知のところである。 幼児期の特性・性格,保護者の養育態度,安全対策や安全への意識および環境・地域とさまざまなレベルでの検討が従来からなされている。 また,小児科医・耳鼻咽喉科医・救急外来診療科医を中心に,あるいは保健所独自に幼児の事故減少への取り組みがなされており,幼児の安全教育と保護者の安全意識を高めることが提唱されている。 幼児保育教育での健康領域では,身体機能・食行動・心身症に関する研究が多く見られるように,どちらかといえば健康生活に重心が置かれやすく,安全能力の育成や養育者の安全意識の啓発にまで届いていないのが現状のようである。 しかし,どんなに万全の対策を講じても事故は発生するであろう。大事に至らないようにすることが課題である。 従来,事故を未然に防ぐという予防対策に重点がおかれてき,中でも環境整備が中心であった。今後は,子どもと保護者の安全能力の育成が課題であると考える。 そこで,集団保育教育の場で子どもの安全性を高めるために,子どもと保護者にどのような能力の育成が必要であるかを検討することを目的とした。その前段階として,保護者がどのような安全意識をもっているのかを明らかにし,これらの意識が子どもが今まで受けた事故と関わりがあるかどうかの検討を行うこととした。 |
主題 | 不慮の事故
やけど
転落落下
誤飲
安全意識
|
掲載誌名 |
島根大学教育学部紀要. 人文・社会科学
|
巻 | 29
|
開始ページ | 27
|
終了ページ | 32
|
ISSN | 02872501
|
発行日 | 1995-12
|
NCID | AN00107952
|
出版者 | 島根大学教育学部
|
資料タイプ |
紀要論文
|
ファイル形式 |
PDF
|
著者版/出版社版 |
出版社版
|
部局 |
教育学部
|
他の一覧 |