タイトルヨミ | ジュウドウ ノ キソテキ ケンキュウ 5
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日本語以外のタイトル | A Fundamental Study on the Judo(V)
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ファイル | |
言語 |
日本語
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著者 |
藤岡 正春
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内容記述(抄録等) | 柔道は戦後武道的柔道からスポーツ柔道へと衣替えして復活したが,加納治五郎の創始した講道館柔道である限り「精力善用」の根本原理から逸脱することは出来ない。この原理に基づいてそれぞれの技(形)が出来ている。従って「武道を学ぶには,まずもって形を学ばなければならない。しかも,その武道の形は練習を積重ねるうちに次第次第に洗練されて良くなって行く如きものではなく最初から最高の形を習得しなければならない」と言われ,形は年令や体力によって段階的に習得するものではなく現時点の最高のものを教え,又は習得しなければならない。「最も上手のすることは,緩々と見えて間のぬけざる所也。諸事しつけたるもののする事はいそがしく見えざるもの也」又「巧妙な戦法は,時の流れとともにより簡単な戦法に席をゆずらねばならない」と言われているように無駄な動きや働きを全て取り除いて残ったもののみで構成されているものが「形」である。柔道の技はこの「形」を有効に使い働かすことによって成り立っている。「柔道と剣道の一番大きな違いは武器を他所から手に入れることが出来るか,それを自分で創り出さねばならないかである」と言われ,形の習得は即ち,技を作ることであり,作った技を有効に使うことにより効果が生ずる。
この形を習得する手段として,受けが技を掛けやすい姿勢になり取りが同じ技を何回も繰り返し練習する「かかり練習」がある。このかかり練習の効果について「柔道要義(桜庭武著)では,(イ)姿勢が良くなる……姿勢が良くなければ十分な捨て稽古が出来ない。(ロ)四肢のカを増して動作軽妙自在になる。悪力あるものは悪力を除き力少なきものは力を増す。(ハ)身体強壮となる。(ニ)技術快速かつ精確となる。(ホ)気息長くなる。(へ)眠明かに技を掛ける間合明かになる。(ト)掛けが強くなり,かつ手の握り軽く冴えが出る。(チ)疑懼心を去り心気力の一致ならしめる」と言っている。 即ち,正しいかかり練習をすることにより,技の正確さ,力強さ,スピード,持久力,体力の養成,間合等の養成(習得)が出来ると言っている。従って,正しい技を習得するにはまず正しいかかり練習を行なうことが先決となる。 本研究は,技を習得する上で正しいかかり練習をするには「どのような点に留意し,確認しながら行なえば良いか」を明らかにし,かかり練習の良否を誰れでもが判断出来,指導出来る目安となるものを作りたい。 |
掲載誌名 |
島根大学教育学部紀要. 教育科学
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巻 | 20
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開始ページ | 119
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終了ページ | 125
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ISSN | 0287251X
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発行日 | 1986-12-25
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NCID | AN0010792X
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出版者 | 島根大学教育学部
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出版者別表記 | The Faculty of Education Shimane University
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資料タイプ |
紀要論文
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部局 |
教育学部
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