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ショクギョウテキ カチカン ニ カンスル ケンキュウ2 タイジン シンライカン トノ カンレン
日本語以外のタイトル
A Study of Occupational Values(2) : Reference to the Faith in People
ファイル
言語
日本語
著者
武衛 孝雄
内容記述(抄録等)
M.Rosenbergは,個人の生活一般における価値感のひとつとして,対人信頼感faith in peopleという概念を提唱し,これと職業志望および職業的価値感との関運を追求して,対人信頼感のいかんにより,志望職業ないし職業的価値感に明確な差異があることを見出した。筆者は,Rosenbergのこの研究に示唆を得て,かれとは異なった独自の立場と方法をもって,本研究を進めてきた。
 まず,「対人信頼感」について,つぎのように定義しておきたい。即ち,対人信頼感は,各個人が,不特定多数の他人に対して,または性・職業・地位・杜会階層等で示される特定の集団に対して,その一般もしくは特定の行動場面や行動様式において,どの程度信頼していれば安全かという一般的な基準の意識である。
 この信頼感は,個人の,他人との関係における多様な生活経験のうちに形成され,次第にその個人内に一定の水準を保って固定化し,かなりの長期にわたって持続するものと考えられる。そして,この水準は,個人の行動とくに対人行動や職業的行動を規制する重要な要因となり,また,きわめて主観的なものであるから、相当の個人差があることが予想される。
 広井は,対人信頼感に関し,成人の有職者を対象として測定を試み,各職業間にあらわれたその差異を検討し,また,筆者は,さきに,職業的価値感に関し,学校生徒を対象として研究を試み,各種の志望職業間にあらわれたその差異を考察してきたが,本研究では,職業生活経験を全くもたない学校生徒を対象として,対人信頼感を測定し,それと現実の志望職業ないし決定職業および職業的価値感との関連を追求して,生徒個人の対人信頼感が規定する若干の職業的要因を解明するとともに,学校教育や進路指導における対人信頼感の意義を確認したいと思う。
 この研究の結果,学校生徒においても,対人信頼感に前述のような個人差が認められ,志望職業ないし職業的価値間で,明確な差異が発見できるならば,対人信頼感は,少なくとも,学校生徒の職業選択や職業的価値感を理解するための,重要な要因のひとつとして考えることができるであろう。
掲載誌名
島根大学論集. 教育科学
14
開始ページ
103
終了ページ
116
発行日
1965-02-05
NCID
AN00108117
出版者
島根大学
出版者別表記
Shimane University
資料タイプ
紀要論文
ファイル形式
PDF
著者版/出版社版
出版社版
部局
教育学部
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