Recent studies on semiconductor quantum structures, such as quantum films and quantum wires,are reviewed, focusing on optical polarization anisotropy. The optical properties of quantum structures can be tuned by controlling wave functions of electrons and holes confined in the quantum structures. Especially, the polarization property is directly related to the base function of the wave function of the hole state. In order to tune the polanzation property, base-function engineering is proposed as a new field of wave-function engineering,in which the shape of the base function is modified through the quantum confinement, strain, and electric field.
江崎玲於奈はトンネルダイオード(エサキダイオード)の研究によってl973年のノーベル物理学賞を受賞した しかし,実は,その後の研究の広がりや実用上の重要性を考えると,l969年に彼が提案した半導体超格子の概念のほうがより画期的であったと言える. 事実,半導体超格子やそれをもっと単純化した半導体量子井戸や単一ヘテロ接合を組み込んだ半導体デバイスは,すでに今日の我々の生活になくてはならないものとなっている.たとえば,衛星放送の送受信器や携帯電話用のトランジスタ,光ファイバ通信用の光源およぴその中継器中の光増幅器,CDプレーヤーや種々の光情報処理機器,等々 研究開発においても半導体超格子・量子井戸の研究は,一つのパラダイムを形成し,今日もなお研究が盛んになされている.そのパラダイムの中でもいくつかの小パラダイムが登場した.最近のものでは,量子閉lじ込めシュタルク効果の発見,ひずみ超格子・量子井戸におけるバンドエンジニアリングなどが代表的なものである.これらは,ヘテロ接合による量子閉じ込めに加えて,電界や弾性的ひずみにより,電子や正孔の波動関数をコントロールしようとするもので,波動関数工学と呼ぱれる.この総説では,半導体量子構造における波動関数工学の現状の一端を紹介し,今後の進むべき方向の一つを示す.