島根大学論集. 自然科学

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島根大学論集. 自然科学 11
1962-03-01 発行

役畜のけん引機構に関する研究 : 役畜がけん引歩行する場合の,平衡上の問題

A Study on the Draught-Mechanism of the Draught Animal : The Problems in the Equilibration of the Draught Animal in Walking with Draught
盛政 貞人
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内容記述(抄録等)
役畜のけん引機構の解明に資する目的をもって,さきに,駐立させたままの山羊に,力の3要素に相当する,
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      力の3要素      けん引条件の3要素
      (1) 力の大きさ …… (1) けん引量
      (2) 力の作用線 …… (2) けん引線(けん引角度)
      (3) 力の作用点 …… (3) けん引点
</tt>
けん引条件の3要素を種々に変化させたけん引をかけた場合の研究を行ない,その場合の姿勢やけん引線(曳き綱)のとる位置の変化,ならびに前後肢別の負重量の変化などは,かけられたけん引によって生ずる回転能率に対して,役畜が,その体重の1部によって反対の回転能率を生じて,その体の平衡を保つためのものであり,その平衡条件は図1に示す如く,FD_1 = W_pD_g であることを明らかにした。
 この度は,上述の理論に基礎をおいて,山羊がけん引歩行する場合のD_1ならびにD'_g(後蹄の仮定の回転軸と仮定の重心との水平距離)を測定するとともに, (D_1)/(D_g), W_p, (W_p)/(W)…(W : 体重)…など回転能率の平衡に関係する事項についての考究を試みた。