基礎看護技術教育演習科目におけるアクティブ・ラーニング型反転授業導入の評価とその課題を明らかにすることを目的とした。その中間評価として単元科目である車椅子移動授業について、A大学の年度の異なる2年生60名(従来型授業)、2年生58名(反転授業)を対象とした。反転授業後のリフレクションシートの記述統計量を算出し、また車椅子技術試験点数における従来型授業と反転授業とを比較した。その結果、看護学生は学習不足・意識不足を感じながらも補完授業で学んでいた。学業成績の改善には至らないが、反転授業は技術の習得には従来型授業に劣らないことが推察された。今後は教員が応用可能な発問をし、学生の主体的・能動的な深い学びを支援すること、本科目における改善点を検討することなどが課題である。また、反転授業のプレ・ポスト評価や反転授業における評価尺度の開発が求められる。