スターン文学における言葉の重要性は前稿(島根大学法文学部文学科紀要第14号−II所載「『トリストラム・シャンディ』を読むために」)で触れた通りであるが,スターン文学のより深い理解のために,引き続き,OEDにおける『センチメソタル・ジャー二一』からの引用をOEDのCD−ROMにより検索し,その結果をまとめた。
本稿では,OEDに引用されている言葉が,どこで,どのように用いられているかを明らかにするために,出現順に,語義とともに引用例文も記載した。アルファベット順のリストも加え,注としても,辞書としても使えるようにした。利用の便を考え,テクストは,目下一番多く使用されていると思われるGardner D. Stout,JR. ed.,A Sentimental Journey through France and Italy by Mr. Yorick(University of California Press,1967)を用い,坂本武氏にならい,各章に通し番号を付した。丁度70章からなっていることになる。ぺージ数もその版によっている。
見出し語としては326になっているが,そのうちの4語はスタウトの版にはない。 (ただし品詞の異なるものは別の語として計算している。)一つの見出し語に複数の引用例文のあるものもあるので,スタウトの版からの引用語は延べ338語になる。なおスタウトの版からの引用例文で初例となっているものは63例である。