本研究の目的は、イメージマップを分析するためのデータ処理方法に工夫・改善を加えて、教師がこれから行う小学校理科授業の授業づくりにイメージマップの分析に基づいた形成的評価が活用できるようにするための第一次資料を得ることである。上述した目的を達成するために、まず最初に各小単元の学習終了後、子どもが書いたイメージマップと予め教師が書いたイメージマップを比較させた。次いで、それから得られたデータに、本研究において筆者らが新たに提案した簡潔な授業評価方法に基づいた授業評価を行った。
その結果、本研究において筆者らが新たに提案した簡潔な授業評価方法は、次の2点の特徴を持つことが明らかになった。第一に、単元の学習内容に関する知識・理解に関する子どもの学習状況がモニターできるだけではなく、観察・実験時の技能やグラフの読み取りといった、単元の学習内容に関する技能・表現についての学習状況もモニターできる可能性がある。第二に、単元末テストにおいて測定される知識やスキルだけではなく、テストに出題されなかった単元の学習内容をより広くモニターできる可能性がある。
これらのことから、本研究において筆者らの提案した文脈で、教師がこれから行う小学校理科授業の授業づくりにイメージマップが活用できる可能性が明らかになった。今後研究を進めて検討を加える価値があり、教師がこれから行う小学校理科授業の授業づくりにイメージマップを活用するための第一次資料が得られた。